八木ヶ鼻(三条市)概要: 八木ヶ鼻は五十嵐川の上流にそそり立つ高さ200m(標高:272.3m)の断崖絶壁です。おおよそ600万年前の火山活動で形成された海底溶岩ドームが約200万年前に隆起し五十嵐川による浸食や風化などで現在のような景観が造り出されました。その印象的な景観から古代からの自然崇拝的な信仰が行われ、大同2年(807)には山頂に八木神社が勧請されています。八木神社は延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳に記載されている式内社伊加良志神社の論社でもあり歴代領主からも庇護される存在でした。
八木鼻の岩間から湧き出る清水は"浄心水"と呼ばれる霊水とされ来訪者の喉を潤しています。又、古くからハヤブサの棲息地としても知られ、八木ヶ鼻全体が神聖視されていた為、ハヤブサが神の使い「八木鷹」・「蒼鷹」として信仰の対象となり人々から守られる存在で現在でも春先の繁殖期には巣作りが行われ6月頃には3〜4羽の幼鳥の姿が見られるそうです。昭和40年(1965)には「ハヤブサ繁殖地」として新潟県指定天然記念物に、平成21年(2009)には「八木ヶ鼻」として三条市指定名勝に指定されています。景観的にも非常に優れていることから昭和57年(1982)に新潟県景勝100選にも選定されています。
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