最明寺(三条市)概要: 明白山最明寺は新潟県三条市院内に境内を構えている真言宗智山派の寺院です。最明寺の創建は天平元年(729)、甚諦によって開かれ行基菩薩が彫り込んだと伝わる千手観世音菩薩を安置したのが始まりと伝えられています。
当初は法相宗の寺院で千手院と称していましたが鎌倉時代の康元年間(1256〜1267年)、鎌倉幕府5代執権北条時頼(最明寺殿・最明寺入道)が巡錫で当寺を訪れた際、真言宗に改宗し寺号を千手院最明寺に改めています。中世以降は寺運が隆盛し末寺4ヶ寺を擁しましたが正保2年(1645)の火災など度重なる災難により衰微します。
現在の最明寺仁王門は明治3年(1870)に建てられたもので入母屋、桟瓦葺、三間一戸、八脚単層門、欄間には龍の彫刻が施されています。観音堂は明治27年(1894)の火災で焼失後に再建されたもので入母屋、銅板葺、平入、桁行4間、梁間3間、正面1間向拝付、向拝欄間には龍、木鼻には獅子と漠の彫刻が施されています。
最明寺本堂は観音堂と同様に明治27年(1894)の火災で焼失後に再建されたもので入母屋、銅板葺、平入、桁行7間、正面唐破風向拝付、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ、内部の内陣には本尊である大日如来像が安置されています。
観音堂の本尊である千手観世音菩薩座像は千手院時代の本尊で真言宗に改宗した際、観音堂に移されたと推定されています(本堂の本尊は大日如来)。像は13世紀前半(伝承では奈良時代、行基作)に製作されたと推定され像高116.5cm、針葉樹材、一木造、四十二腎形式、鎌倉時代に製作された千手観世音菩薩座像の遺構として貴重な事から平成22年(2010)に三条市指定有形文化財(彫刻)に指定されています。
越後三十三観音霊場第33番札所(札所本尊:千手観世音菩薩・御詠歌:ふりつもる 氷もとけて いがらしの きよき流に やどる月かげ)。山号:明白山。宗派:真言宗智山派。本尊:大日如来。
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